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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

ひろやすさん詩文控4

【223 欲望】


さみしい時代に生まれたことが、
君にはわかるかい?
生きてゆくことで、
君が失うものがどれくらいあるか、
君にはわかるかい?
生きてゆくことだと言えば、君は笑う、
でも僕は恐れない、
君は笑うことで本質へと近付く・・
心の中に灯りをともして欲しい。
恥ずかしいことや、ひ弱なことに、
反抗心や敵愾心、復讐心、
それらが目を通して、影を落とし、
波のように渦巻くことで、
肉体的に痛みを伴わせることがわかるだろう。
心の素直な膨らみを奪っていくことが、
生活を歪ませると、
君には感じてほしい。
音のない部屋で、
狂おしく突き刺さってくる、
飛び散る氷のような、意志の破片は、
胸の底に溜まるだろう。
氷りに触れねばならない暮らしの中で、
妨げることのできないものがあるから、
君は辛い、僕も苦しい、
時には誰も愛せない、愛したくないと、
思えることがあると知っているんだ。
知っているんだよ、生命は、
欲望を求めている。
生命が有機的な装置としての欲望を、
爬虫類や昆虫類のように、
何を考えているのかわからない、
神秘的な力を求めていることはね。
でも、僕は欲望が概念や観念にすぎない、
その向こう側にもっと別のものが、
僕を、あるいは僕の世界と呼べるものを、
作りだしている、揺り動かしている、
と感じているんだ。
もしかしたら、信じているのかも知れない。
このさみしい時代に、
愛を求めることの色彩豊かな、価値を、
君に見出して欲しい。
恐れるな、星空の広がりの底には、
君を愛している僕がいる。
たとえそれが大海の一艘の船だって、いいよ、
たった一瞬の愛さえ、
信じることに変わりはない。
太陽がある間、月は見えない。
夕闇の間、さみしさは消えない。
母親は我が子を抱き、父親は暮らしを守る。
子供たちは遊ぶ、
その絶えず繰り返されてきた、
僕等の営みが、
のんびりとした感情をつくり、
時に人を保守的にし、人を本質から遠ざける。
でも、僕は愛したい、
愛することに終わりはないと信じたいから、
愛することで傷付くことを、
受け容れること、許すことで、
人は涙をこぼす、その一瞬のきらめきが、
人生のすべてのように思えるから。
いつの日にか、僕は生きたことを告白する、
おそらく、その涙のような一瞬に、
ひどく胸の痛い感情を知ると思う。
そうだ、愛は常に心を引き裂く、
愛は、それゆえに君を自由にする。
すべての欲望の宥しを得るように。


【224 都市生活者の一典型】


君はTom Waits - The Heart of Saturday Night を思い描き、
 ジョン・レノンや、ボブ・ディランが起訴状を読む愛の歌の間、
君はTom Waits - The Heart of Saturday Night を思い描き、
 甘えた仔猫のような声で「軋むベッドの上で優しさを持ち寄り」
君はTom Waits - The Heart of Saturday Night を思い描き、
 壊れた後の世界に水溜まりが虹をうつすと信じている甘い声で、
君はTom Waits - The Heart of Saturday Night を思い描き、
 聞いていると微笑が浮かぶ、貝殻が香水のイメージだと気付く、
君はTom Waits - The Heart of Saturday Night を思い描き、


【225 技術の生産力の停止】


アフィリエイト記事の作成をする。
売りたいだけの記事を書いちゃ駄目なんですよ、
そこに何かがなくちゃダメなんですよ、
・・・金もうけ主義、悪徳出版社、時代のビジネス、
冥土まで in してChina
しようとする素晴らしい考え、
そうですね足場が崩れて金が大切、
そうしてライターを利用するわけですね、
次に、人の心を利用するわけですね、
自分が満たされたいがために教師面するわけですね、
はい、そうですね、
社会は確かにリストラします、
自由に時間を持てません、
でもそれはあなたが少しでも儲けを増やすための、
言葉だ。その人自身の怯えや、弱さに、
成功する、絶対失敗しない、と訴えかける、
いわば、暗示だ。パワーハラスメントと何が違う、
先を争う、誰でも参加できる、
誰でも同じようになると見せかけることの、
滝のような感覚は何だ、
食うだけがやっとの人でもあるまいに、
仮に喰えなくなっても、
生きていけないほどの窮地ではあるまいに、
とことんまで地獄に落ちたわけではあるまいに、
精神的に弱い、ただ弱い、
泥沼の闘争へ君はゆくのか、
素晴らしいお金を手にするために!
そして悲しいほどの嘘を見つけにゆくのか!
・・・あの人はそう言った、
時代の寵児だと言った、
見せかけの鎧の向こうで、
誰かが信じてくれなくちゃ夢を追えない、
と言った。でもあの人が、
本当に欲しかったのは、
疲れた時の塒だ、自分を守ってくれる人達だ、
何故、それをお金なんかで、
君は君自身を汚してしまったのか、
お金は欲しい人に来る、
でもお金は君の楯ではない、
そして君は老人たちを笑い、子供を笑い、
そして自分さえも笑い、
そして、泣いたわけだ。


【226 自分磨きがんばろう!】


  黒ずみ毛穴、ガチガチ頭皮、
  鋼鉄で緊張した、

原始人的磁石の寒さが、
 舞SWEETハニー(笑)に与えたこと、
  「コラーゲンたっぷり、」
    「エステ、」

  (うるおい美肌、

     (モチモチ保水力

  何故美しくならねばならないか不明
  何故か綺麗になりたがる心理

    (婚活したーい!

   (ナマケモノしたーい!

      ・・・ああ、その程度の話ね(笑)


the act of making something more beautiful


【227】


根拠のない
でたらめの
 (雪 (雪見る人は
    (雪は
 力抜けていくような小さな声、
 部屋の電灯が、ぶつかるくらいに近づく
   ・・・「君はここで何をしてるのって思ってるんだ」
   /そうだね、目が覚めたら泣いてるかも知れない。
    ぷつぷつぷつぷつ、点描画

   静かに零る
  静かに積もる
 (雪 (それが箱の中の百万ドルみたいに思ってる
    (雪は
         (正直さ

 上質なカシミヤの卵のような、パパ
 雨の傘に落ちる毛糸のような、ママ
   ・・・小さなボートに乗って、そうだよ!もちろん・・
   コツコツ、とドアを叩いてる
    ――そろそろ羽根を売る謎の羊飼いたちが来る

    (雪は・・
         (いつまで降るんだろう・・・

  どこかを彷徨っている、手強い、道
  窓ガラスも、ああ外の景色のように霜が降りた
    ・・・もう仲良くしておくれ
    ・・・君と一緒にいても恥ずかしがったりしないよ

  かなしみが生まれたのだ
 最後の・・取引・・・が――

    助けの手を求めているのかい?そうだよ!もちろん・・
    じゃあどうしてそんなにたくさんの傷を負ったんだい?

    (雪は・・・ (時計のネジが切れたみたいに

          (どうして鳥の鳴き声

  が、鳥の鳴き声が・・聞こえないんだろう・・・
 凍ったのだ――頭の中の鐘になったんだ・・

    (雪はナイフの尖のように

          (姿を消していた“死”を祝福する

        
【228】


上見ろよ屑!下見るな屑!
上見れば星!下見ても石!

■自己啓発ルールとしての個人の捕まえ方、
 スキルについての覚書。
・学校→いじめ・シカト
 ⇒ 積極的態度の不足、情報収集の甘さ。
・人間関係→行動力・スピード
 ⇒ パワーバランスの理解不足。
・感情表現→趣味よりも塾や習い事
 ⇒ 会話が合わない。

  【案内所】Playして下さい。

 その他のQ&A

・心理学は知っておいた方がいいですか?
・空手は習っておいた方がいいですか?
・両親は暴力はいけないと言いますがいいですか?
・一体生きてる価値って何ですか?
・自分が弱くて他人が強くて何がいけないんですか?


  【案内所】ONにしますか?
       それともOFFにしますか?

We will have to get over the feeling of helplessness.


【229】


蝶たちの巣
背徳の巣
二十歳になる
二十一歳になる前に


映画の中に出てくる俳優がしつこくつけ回す人ーストーカーだった
湯船の中にブルー
鱗粉が落ちていた
目だ
プールの端に溜まった虫の死骸をすくうように排水しながら
以前あなたと会ったことがあります/あなたが僕を呼び寄せたのです/
あなたと人ごみで会うより前から知っていました/
蝶は生霊の象徴だと知っていましたか?
ひやっ・・・「聞いたことありません!」
もちろん、愛の恵みを受け取りますよね?
まさか、要求を拒んだりはしませんよね・・・?
「もちろん、
お金稼いで
くれたらいいですよ」

  × × ×


映画の中に出てくる
しつこくつけ回す
僕は

つけ回す


【230】


チェ・ゲバラ
Che Guevara


彼は彼に屈する必要がある。
哀れみの最もあるはずの人に、
その権利は久しく失われている。
  (彼には、血のような月しか見えないのだ。
   それが彼の生き方であったと、わたしは思う。)
サルトルは「20世紀で最も完璧な人間」と言う、
ジョン・レノンには「世界で一番格好良い男」
カストロには「道徳の巨人」
・・・でも彼はヒーローではない、しかし革命者だ
少しく汝の存在・・だが、「生きるに値せぬ者、」だ・・
ことば。ことば。
すべては、じっとしている。
チェ・ゲバラよ、
広島平和記念公園内の原爆死没者慰霊碑に献花し、
原爆資料館と原爆病院を訪れたということは何を意味する!・・
  (社会的な価値観を捨てて、魂の純化を目指していたのか・・
   毒におかされた泉のような時代に)
誰しもが褒め、告げる革命者を――処刑し・・
彼のメッセージは、いまのわたしに、自由と不自由な安定の間で、
女性的な柔らかさとずるさを発揮しているように思う。
あなたは武力を認めていなかった。そしてあなたはついに、
「武力行使」を認めるような存在の人生になってしまった。・・
  (彼は写真家だった。そして女性を愛することが男性だと信じる、
   ある種、純粋理性的な女性愛好者であった。)
でも黙っていよう・・ゆっくりと考えてみなければ、
わたしはひどい印象で彼に触れる・・
もしかしたら無彩色のドアで彼を迎え入れているかも知れない、
――わたしの瞳は、体裁を必要としない。
そうだ、ひどい方が、悪辣な方がより、
愛しても報いられることのないわたしを、
この時代の理想へ、この時代の愛へと向かわせる・・
戦禍を撒き散らした男を好意的に解釈すれば、
「足を地面にたたいてリズムをとる」ということだ、
それは許されぬことだ、・・・この世の中を探して、
彼は彼の手綱さばきで破壊の衝動を抑制する。
神はいない。だから理想が、だから愛が必要なのだ!・・
しかしゆく末がいかがしようと、
死よりも恐ろしい嘆きがあろうと、
あなたを密かに愛さねばならぬ。
甘美な報酬を期待するには難しい時代だ、信仰はノスタルジーだ。
  (夜浮かれ騒ぐこともあったろう、人生に、時には、
   自分が間違っていたかも知れぬと思うこともあったろう)
医者が革命戦士になることの意味をわたしは考えている。
人を救うことに一切の理由を持たないはずの男が、
理想を謳わねばならぬことの悲しみを考えている。
  (あまりにも、多くの血は流された。逃れ得ぬ絆につながれて、
   「愛」と謳いながら、愛以外ないと革命者の資質を問いながら、)


1928年6月14日、アルゼンチン第二の都市ロサリオで裕福な家庭に生まれる。
1967年10月8日 バジェグランデ近郊のイゲラ村の近くで捕えられ、
大統領レネ・バリエントス・オルトゥーニョの命令で10月9日に処刑(銃殺刑)された。
39歳だった。

誰も気付かないままの
1967年と、
その次の年に
捧ぐ――


【231 ブラックバス】


言う!
この池には自分の側からしか
架かっていない橋がある
神の厚意か、・・心が割れて、世界にコンピューターが流れだし、
 数字が春画のようにポルノするとしても
 (まださ!・・)
 (そう、まだ・・でたらめな数字が橋に値段をつける。)

   ――風に磨かれた憐れな論理よ!

僕は僕の霧のために、
コートの内ポケットが
ぎっしりする。
似而非policeマン ・・後ずさりする小道
名はきっと 根、・・きっと賢い犬が掘って見つけたんだ
でもナイフは取り出せない
深いこの穴 の 
 季節に、の地面に、の木々に、
 そっと耳を澄ませれば
  (彼が呼ぶの?)
  (なの、)、

     ――オルガンの音が、
  爬虫類から進化した、始祖鳥のように
  泡よりもはかなく焼けたくなる運命に
  砂漠を感じる

それで で、彼は気をつけて・・腫れた唇を。
寓意のように割って、最初の果実のように割って、
動物の白い骨、歯を・・
心が渇く重い(おもいおもい の、)廻転ドア
   ――を(なの、)、

    「時が流れたって、儀式のように、
    洗練されていくものじゃないの!ねえ、
      ・・・熟れていくということはできないもの」
  タイムリーな芽が浪費しないように祈る。

   ――誰の膝珍しい、かすかに残っている陽よ!

どこでぷつんと切れたのだ
どこで画家は行方不明になったのだ
詩を読んだことがあるか
それはシャルルミンシュ指揮か
カラヤンの指揮か
・・・たまに妖精を想像する、コロッセウムを想像する、
すさまじいブーメランが夕暮れで、この、
ぶっ刺さった紅さで!

  長いよ、長すぎたよ
  (でも、持っていたよ、)
  (彼の群れ・・)胸の器のあふれるまま、
  ボウラーはボウルを放ち、
  そして僕はため息を
    ・・・気を失った泥棒のように放ったりする


     《言う》――能の仮面をつけて、
    さて馬酔木が、修験者 を
     ・・を 鬼神を
     きっと 修羅を

   ――を、など導いた。

    (悲しいかな、)
      ・・・そっと 耳を澄ませれば聴こえる
  何かを究めようとすると、蝮みたいになっちまう、
    (悲しいかな、繁殖・・もがき悲鳴をあげる環境よ)

      ――まあ贅沢は言うまい、
 
だんだん強く、・・ガラスが存在していることを忘れ
もっと強く、さらに激しく、

    (僕はかかった、)
       網の中・・デパートの大きな飾窓、
    (僕は嗤われてる、狂いだしてる、)
    (そうだ、僕はかかった、)    
       大通りのショーウィンドーのように、
      君はもがく、悲鳴をあげる、バス!

        君は ブラックバス ・・


【232 わたしのからだのなかのトパーズ】


私が生まれない優しさにシミがある
痩せ細ったその手が鉄のように思える時は
インクの濃い記事に結びつける硬い鉛筆を走らせている
内なる曠野でおもむろにおとずれる無言の海の欠片
明るい樹木に擴がっている わたしの心の 額
白いということ浄らかということは冷たいということだろうか
底光りのする貝が大地の痛み
血潮が燃え大氷河が北から南へと向かい
海がささやかな石を運べば
――昔ここには三葉虫がいたってね やわらぎが嘘のように
いまは離れ離れになったってね、まだ、まだ調べが続くね
三葉虫の憂い、三葉虫のまるいふくらみ
アンモナイトだったら僕は上の空だと少し思ってしまうけれど
・・・わたしはしづかに紐解く、紐解くということで声を落とし、
ささやかな主張をする者の常として夕凪となる
「地面が盛り上がり高い山になった
そして木が生え砂の原になった・・」
ひかりにわたしが溶けるような時刻、
沁みるように氷が、ほそい、笛のような水を鳴らすとき
しづくのひびきという川をくだる
――そんな時は祈りのように、かつて戦いに敗れ、
丘に逃れた人のことを想った
わたしは生きる 募る罪の意識のなかを
解けぬ疑惑のなかを、引き締まった表情をして
時にこぼれている光の身の置き所のない過去の中で
彼等がはじけている血の色をした落日
わたしのからだのなかのトパーズ
・・・わたしは生きていた、生きていた


【233 夜明けの足音】


まだ ひとりぼっちで車を走らせてるのかい?
へい、クレージー・バッファロー! 
おらブルースを歌え・・息絶え絶えの砂の足あと!
ふぇらちおな眼鏡蛇が這う! 
ひずみの中で見る、俺は涙のパンチドランカー!
どらっぐなフランシスコ開港でカメレオンを夢見る
イツハジマッテ・・・イツオワルノ・・・
霞みゆく天にもとどくバリケェェェド!
寄生虫どもに捧ぐ百八十キロのフルスロットル・マシン!
光のナイフ、高速の殺人!膚を刺す窓からの流れ弾!
亡霊どもを皆殺しにするダリヤ!
間違ったダイヤの眼した、クレージー・
クレイジイィィィィ・バッファロオオオオオ!
この絶望に兜蟲となるぜ!夕焼け空のチャーミング・
ヴィーナス! ・・・ラブホテルで愛そう
何度も何度も抱き合おう


【234 戦禍のニヒリズム】


眼をそっと閉じれば蝶が止まる

rank jungle vegetation
wander a jungle
The army snaked through the jungle
We chopped our way through the jungle.


指を
鮮烈に
交差

・刹那
遠くに行く
という――

抵抗を
絵が
好きですと
言った女

したたる乳
貪った
印鑑のような乳 首

ワルシャワ
を百万遍も
唱えていた
昼下がり

・足が
楽しそうに
踊るたび

一枚一枚
俺も
捲っていたっけ

女の名を知らない
行きずり
後で潤んでいた

透けたように
明るく燃えていた
コテージ

・インド象の話
おいでおいでして
最後は人が
踏みつぶされる

・ドル紙幣
が息づき
けだもののように

不安な果実が
タイプライタアを
習っている

魔術的な砲声
心通わぬ
異端の女

ぬらっとする
黝い楽譜
煉瓦の薫り
ハッシシ

草原を
走り抜けて
光る髪と
セクス

そして俺の
直線は
三角定規に

突き刺さる
フランクフルト
尖塔

・戦闘
生きてるか
名も知らぬ女

戦争が
始まったのは
次の日だったっけ

ジョンケージに
耳が腐った
焦げ落ちた

夏の残りの光
灰汁のような
汗、うつろ

俺はそんな時
思い出した
すごい
いい女

脳髄が
勃 起するほど
魅力的な女

来る日も
来る日も
思い出して

やさしい
絶頂の瞬間
いやに暗く

広がった
いやな視界
目的を失った戦い

だんだん強く
聴こえてくる
弾けてくる
お前のオルガスム


【235 彼等は誰であるかではなく、わたしの心よ張り裂けよ!】


 もちろんプロセスが意識にのぼることもあるだろうが、これよりも遥かに薄くて分かりや
すい人びとがいて、彼の口から、「秋が散り乱れている、」ことを聞くこともあるだろう。
それがどんな朽葉であろうとも、人こそ見えね秋は来にけり。・・うす化粧の上に、白い布が
ある。そしてそれを棺桶という。わたしは、「棺桶」がそれまで、読経ー貝の部屋ー赤ん坊
の無心な「EROTIC」が谷の深さへと轟く、というように思っていた。無数の死者よ、その端
正な、さながら火山の優美なエスプリ、三角、が引っ掛かる。どうして驚きは、美しいの
か。どうして少し浮いた大きな影は、目黒を想起させ、本来なら当然思い浮かぶことのない
「マグロ」を思い出させるのか。人よ、斜面があるのだ。「宙づり」が存在するのだ。そし
てそれは「サーカス」なのだ。何処かにわたしの思い出が、最初から最後まで謎の連鎖を生
み、サスペンスとなり、サスペンションとなる、均衡。そうだ、「名前を持ち去られたよう
に、」わたしは蝸牛が粘液をひきながら、ちょうどやどかりが出たり入ったりする場面を思
い浮かべる。合図があった。合図は、太陽の中に朽ちた。人はその「朽ちた」の中に美しく
て都合のいいヒューマニズムを見ている。ケリのつかない、絵画や、彫刻、演劇、音楽・・絵
なら壁に飾るだろう。音楽なら、CDプレイヤーにかければいい。存在は特質を生み、意識
は義務をうむ。スリルが激怒をうむ。肉体は性格となる。・・思いがけない変化が、もしある
としたら、それは芸術的理想の逸脱ということになるだろう。もはや、包み切れないもの
が、包み紙の飴玉のようにある。いわゆる、それを原子爆弾にしてしまうことが、体制の状
態、マス・コミュニケーションの状態といえる。そこには特別な理屈はない。たぶんに、一
般社会というのは、そういう飛躍を承知で、行き詰まり、目新しいものへと媚びることしか
できないのだ。何が導火線ではなく、何もかもがシナリオライターの介在する源泉であり、
非常に重要な意見は、張り裂ける胸や、今日頬へとこぼれおちる涙となるだろう、というこ
とだ。


【236 テクノポップ】


テクノポップでもありえない気持ちで聴きたいこ
とがあるアイスクリームを召しあがる電話でも昔
の人は偉いわねと言うこんにちはがうまくなる人
に好意を持たれるよりも悪意を持たれることが少
し増えてきたかなと思う俺って天才かなわたしっ
てカリスマそうかも知れないしそうじゃないかも
知れないたとえば由良浜あたりで貝を拾ったと
いう記憶がある日比谷公園で猫とたわむれてい
た鎌倉瑞泉寺で砂がいいと思った覚えがある藁
ぶき屋根の親戚がいる陽射しが熱いときどうして
か九十九里浜を想像してしまう風邪を引くと結核
療養所を思い出してしまう古い校舎の時計を見る
と東京帝国大学を思い出してしまう千葉県の成田
ってどんな所なんだろうと近頃考えるテクノポッ
プありえないでしょテクノポップそんなもの何処
に存在するの昨晩の俺の部屋の中にはあったよ
テクノポッちがうテクノミサイルどうしてテクノって
聴くとディレッタンティズムしろうとゲイしょうがな
いですよね連帯感というか同志的結びつきの世
界だからテクノミサイじゃなくてテクノロケット読む
本の情報が衒いを見せる精神的深さを拒む自分
のなにをさらけだすテクノミュウジックしそれでも
相手は宇宙的な遠く空の旅のブロークンイングリ
ッシュしホテルへ帰るとフロントでテクノ的な顔に
なるテクノポップあれは漫画的大陸的なシュール


【237 feeling sexy】


Donna Summer
にパチッと音立ててポルノ半ば盲目にする
 勃てなくなったものも甦るだろう
 ――俺の兄弟が服を脱ぎ棄てる道のど真ん中で――
Love To Love You Baby
 夜の古い恐怖、飛び出す僕のマジックダイ
ナマイト!花開くころ、昇天さ!
 ヴィジョンの風、裏切り者不名誉になるミイラ!
Donna Summer
ひそかな安堵とつかのまの休息
ベリーダンサー みたいに素晴らしい
  かつてそれは色のついた言葉だった
Love To Love You Baby
ディスコは死んでいな(い、)
 糸巻きの土曜、讃美歌のごとく記念碑さ
  卑怯なけだもの幾多の名辞


【238 新進ではなく、手前味噌のようにきこえる衝撃】


スペインの谺、フィンランドの草が伸び、
メキシコの景色の中に包まれる、
アラスカに天啓を享け、ウイーンで
俺の尻をなめろ!
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのことを
考える

 (スイスでフランス革命の本を読んだ、SONGが
  いまのデモクラシーなのかな、と考えた)
 (内緒で手帖をつけていた季節感覚の遠さ、
  変な句ばかり作り、微妙にひそんでいる生の滑稽さ思う)

   探してる、探してる、同じメロディー、
   同じリズムの繰り返し「探してる」(探してる)
   《探してる》探してる、

ドイツへと旅に出て、イギリスをテレビで見ていた、
カナダでテニス(をしている友人がいる、)
沖縄で珈琲を飲んでるたいへん礼儀正しいひと達、
アメリカの酔っ払い、パプワニューギニアの内科で記者の話、

 (昔の火の色が思い出されます、人工的にいろいろなことが、
  成立するのが不思議です。すり鉢の底に海があるようだ)
 (感じたまま、直接心にしみついたもの。朝が早い、
  ビールは飲まない。)

   探してる、探してる、平易さゆえに幼稚で、
   しかし単純さゆえに飽きさせない「探してる」(探してる)
   《探してる》探してる、


【239】


ピアノ買う授業料です
ゆうもらすなにゅああんすう
株に口説かれたらハイヒール
じゃんじゃんな一般ぴいぷるう
スーパーマンになれる?
ろっけんろうらうにはなれない


【240 手が届くころ】


月光は倒様のまま
俺の頬を撲りつける
逃げる卑怯の後ろ姿が俺の底に灯りをともす
手に持つと濡れる
人に伝えることのできないまま
 ひとり考えに耽っている
 「俺」が白く焼けた紙となる
此くて眠りが浅くなった俺は
足を引きずりながら、「人よ、静かに」
・・・憧れを焼いてしまう
 ・・・焼かれたあとはことさらに白くなる
何処へゆけばいいのだ月光よ、輪廻を忘れた
からからと糸車
ほんの少しの鉛と銀
――こんなにもすることがあったのだと夢の続きは
 少年に透徹した黄金色の砂を嘘のように撒いた
激しい執着から矛盾を露呈した
ふざけている精神の遅れが甦る
厖大な遠い日
・・・これは「さよなら」なんだ
 ・・・さよなら、が口にできないまま
およそかけ離れた死を火に焙べて
刑務所でもある!ああ うしろ向き二十歳の電柱
殷盛が月並みに臭い水府よ


【241 蝿】


瞳を閉じていたんだ
運動法則の体質に
ビジネスが
壊れていたんだ
役立つことに溺れて
人は巨大化ではなく
複雑な迷路に
人生の定規をあてた
俺は地球のように
回れるだけ回った
何度も引き揚げて
唯独りの川を
舟で渡った
飲み明かそう
自然と懈怠に
酒よ 遊べ
人を送るたびに
薄れゆく痛みが
片脚を重くする
俺の背に刺さる
ふくよかな
指をしていた
あいつの爪
いまさら骨鳴って
自己主張するつもりか
情けないぜ
唯黒くなれ
品のいい
ふりをするな
俺に呪いを
呪いの言葉を吐け
日頃めっきり忘れた
完全な悲しみに
腹を立てろ
何をやってる
何を感謝させている
何をおどけている
何を呟いてる
何を誤魔化している
何もないと言え
何もあるものかと
胸倉をつかめ
お前は嘘つきだと罵れ
俺自身にも罵れ
欲しくないと言え
言え 地位や名誉など
俺が負わされた
ものの前では
まったく価値がない
俺は瞳を閉じている
閉じながら見る夢だ
もう見ない夢だ
忘れるな
すべては夢だ
夢のように
忘れるな
俺は欲しくない
はじめてじゃない
悲しみは
生きてない奴等の
うそぶきは
人に 蝿を
たからせる


【242】


この町で生きること、この考えで生きること、
この夢で生きること、・・・・・・・・・たとえ一緒だとしても、いいよ。


人の勝手さが好きじゃない!
 勝手な人が勝手に人の心を読む!
   恐いなら近づかなければいい!
    気持ち悪いと思うなら近づかなければいい!
     あなたは誰・・・?
      モノクロームの熱狂、磨りガラスの世界
       額縁の中に時計の秒針がある。
        時計は、夢のように 思えてくる
         バイバイ!バイバイ!
          取るに足らぬ人、そして
           本当に 気持ち悪い人!
          切り裂かれているのは 誰・・?
         人が いろいろな風聞の塊!
        人が もしかしたら春の霞み!
       光の中で朝か夜かもわからぬまま
      空に浮いている 浮いている・・
     街路樹がある。銅像がいる。
    墓標がある。そして いのちがある。
やりきれないほどの 二次元的な 薄っぺらい笑いを 超えて。焼きそばが待ってる。
ああ やりきれないほどの バカな労力あって メタンガス 超え。ぼくの愛犬が待ってる。


【243】


人らしく、さもいろいろ考えている犬がお菓子のように忠実だっていう保証は、
どこにあるんだい? いかにも口惜しそうに唇を曲げた飼い主もいる。でもそん
なのわからないまま、彼等と暮らしてる。ドアを開けると、車の音がきこえる。
老人のひとり言の世界だ。ぱっくりと口を開いた傷跡だって、わかってる。ゆっ
くり動かせば、僕の血が溢れる。それがあしもとに底知れぬ口びるのように、ぼ
くの心を三角にして         また背伸びさせるんだ。もっと先へ行きたい。
どうして無理をするの                ? 人には限界があるのに。
こわいかい? いや、こ               わくはない。ただ、人の悲し
みや、怒りに、薄くなっていく             自分がいる。人を愛する
ことにも、終わりがあるように、            「いつか君も死ぬよね?」
ロボットになりたいかい? 君は           おむつされて、管につながれ
どこかの動物の墓場に埋められる。        おかしいって思えなくなる!
おかしいのは、おかしいことだって言えていた時もある。でもおかしいのは、その
人ではないというだけなんだ。口を尖らせて労力を無駄遣いした。別に他人
なんだからしょうがないじゃない、って思う。ポカンと口あけちるよりも、この人にも、
こういうところがあったって思うよりほかないじゃない。だって「家族」だよ。ぼくでも
心とまどうことがあるよ。道路に飛び出した狸や猫が轢かれて胸いたまないわけ
じゃない。むしろ、ずっと胸が痛むよ。でも、「家族」じゃない。だから、それは仕
方ないことなんだ。でもイヌッコロ、いつか、終わるよね。ああ、おまえには、言葉
なんていらないから、ぼくも素直になれる。情報もいらなくなればゴミになる。み
んなが興味なくなれば終わりのゲームなんだ。100年後まで続くかどうかよりも
確かに、君が死ぬ、ぼくも死ぬ、そのことが重要な時もある。逆に、いまなにして
るかでこれから先の人生が選べて、そこに覚悟や、勇気がわいてきて、胸がいた
かったりすることもある。ただ、人が好きだよ。そしてイヌッコロ、君を見ているの
がぼくは好きだよ。晴れた日が好きだよ。そんなに美しくないと知っているこの写真
が好きだよ。きれいじゃなくたって好きだよ。喜びがこれから減るとしたって好きだ
よ。あいまいなままだけど、好きだよ。好きだよ・・好きだよを繰返して、変わって
いくこれから1000年がたぶんこんな風に続いてぼくはやっぱり泣くと思う。笑うと
おもう、君達が幸せなら、それが詩なんだ、言葉なんだ。


【244】


世界はシンプルな答えを
 求めてるのかも知れない

  ・・・愛 強く想う

どこかの国も、どこかの人も、
 裸になって、
   服着て、

  ・・・彷徨ってるんだなあ

たまには問わず語りの世迷い言で
 慰めてやるよ、お前のこと

  ――馬鹿だけど、
     そんな生き方も
      いいぜ

こんな瞬間も
 こんな時も


【245】


お前のこと考えてたよ
口なし耳なしのお前のこと
・・認めるのがこわいこともあるかい
夜 僕はそいつの心を知るよ
鬱陶しいはずのそいつらを
虫けらみたいに扱う僕もいるぜ
わいてくる熱気
人の見たくない醜さ
本人にもわかっていたりするんだ
腐りきっている鎖を断たれない
もっと素晴らしい人間になりたい
与えられるのを待ってちゃダメさ
でも人って苦しい
男でも女になる奴もいるぜ
オカマだっていいと思うぜ
それで救われるのが社会なんだ
社会の敵は誰だったか
お前だったか
お前自身だったか
違うね! 違うさ
お前はまだ
本当の夢を見ちゃいない
お前が愛したのは誰か
お前が認められたいのは誰か
みっともないのは
お互いさまさ
たぶんな
恋してたはずの女が
ある日 蛙みたいに思えた
即刻 醒めた
遠慮してたのが
嘘みたいに
そいつのこと嫌いになったよ
だって そいつは
傷付けられんのが嫌だと
自分で言ったから
自分で言った奴が
人にそうすることを見たから
俺は黙り込む貝だ
でも見ていたよ
そいつが好かれるのをやめ
そいつが醜くなるのを


【246 見えないものを見つめている】


通り雨が止んで、安堵だ、僕には聴こえたよ
金属的な音、したたるような水と
 くちごもるような枝の慄え、
耳にひびいてくるように鼻孔がうるおう
濃い匂い、・・あおくて、たまらないんだ
僕はその冷たい声の木の実が好きだ
雨が止んで空が晴れてくる時の後悔が
 透きとおってくる、意識が軟化して、
 ちょうど、土のにおいまでしそうな一瞬間が
通りには靴音がきこえる
体温がうみただれたら、躍動する感動
ふつふつとわき起こってくる、氷という名の澱
でも彷徨っていた
人並みという水溜まりにいきなり
ばちゃばちゃという過去がよぎる
みんな動じなかった
あるいはそんなふりしてた
どうしようもないくらいひどい雨が降っていて
この悲しみをどうしたら癒せるのかと考えていた
答えは見つからなかったけど
洋服着せられる前の薄闇が膜のようにひろがる
夜明け前みたいに
この世の裏側があたりを盗んでいた
本当はもっと明るいんだ
無理やり連れてこられた囚人みたいに
窓から小さく覗いた
泥みたいな同意が靴についたため息だったけど
みの虫はぶら下がっていた
世界はいまさらのように
探るような眼の色で僕を見た
ぴかぴかと始まりの合図で
むちゃくちゃなライトふりまわして
かがやきまくってた


【247】


胡瓜の空と女の子のお尻
 ・・・粗野な田舎風ごちゃまぜ絵画鑑賞・・


思い出してる空気、残像のように眼に焼きついている、
梨、カボチャ、キャベツの静物画
でも、本当はあれ、マルメロの実、キャベツ、メロン、胡瓜なんだ、
・・・・どこにも胡瓜なんてないような気がするのに、と思った画家
フアン・サンチェス・コターンは眼に沁みるような派手さはないけど、
しんみりとしていていいんだ。
――凍えた青空が、女の子のお尻だったら、
ありえない芸術衝動なんだろうな、好きじゃない
でも胡瓜は嫌だな、やっぱり


【248 今夜もありえないくらい月がきれいだ】


都会を茶化しきれない態度
なだらかな裾にしみだす皺のように
抑えきれない考えられない僕が月のように暴れる
今夜 屋根より高く積み上げた心持が夜を走らせる
  ミッドナイト・エレキトリック・サーカス
            マルクスやレーニンを読もう
      猟犬のふりしたお前 が吠えてる
           ミッドナイト・エキスプレス
            そいつはトランプの手
                  ユニークすぎる
                  あの手この手だ
                  伝道師なら悲哀
                  ・・・感じる
                  人殺し始める
ミッドナイト・エレキトリック・サーカス
真夜中はじんと痺れて、一枚の銀色の布
そして抽象語モルヒネつかう俺の物ぐるしい快感!


【249】


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http://www20.atpages.jp/cazzo/kyodai/kyodai.html


――レーザーソード
――東京たわあはたわごとのたわあだ
――通天閣より野暮ったい
――いささかのところ通天閣より下
――通天閣と同じ次元のものではない
――通天閣命!通天閣レーザーソード
――悪を斬る!
――つう・てん・かく
――ツウ・テンと書く

とうきょうういろう
とうきょとっきょきょかきょく
とうきょうせんべい
  とうきょうたわあ的なもの
  ください

    ・・・・ありません。

     なぜですか
      とうきょうなのに
        まさか
         にせもの?

       ・・・・ないだけです

         とうきょう
         あやうし
         とうきょう
       きけんなしぐなる
       いけないしる
     ふんだん!
      ・・・だれかあ
  とうきょ    うが
  とう      きょうが
  と       うきょうが
  うひょうとうきょう
     すんばらしいながめ
     すっぱぬくながめ
    とうきょうこわれゆく
   とうきょうはにせもの!
   とうきょうらしきもの!
  ここはにせとうきょう!
  おおさかじんがすむ!


【250】


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http://www20.atpages.jp/cazzo/kyodai/kyodai.html


 ソノ玩具ハ何ヤラ秘密メイタ・・・メイタ・・メイクラヴ
 ソノ玩具ハ何ヤラ秘密メイタ・・・メイタ・・メイクラヴ

 ――水が滴る音がし、宇宙のmessageすばやく、catchし。
 ――水が滴る音がし、宇宙のmessageすばやく、catchし。

 とろっとした闇に、黄色い花が残る。
思い出の中の朦朧、つかみどころのな
い、ちょっと変な具合に、黄色い花が
ある。黄色とは何だろう。初々しい月
よりもさらに、初々しい足うらの花。
陽射しの色。アイロンをかけたように、
引きのばされた光景が、いま、油のよう
に燃やされる、まばたき。おお、君の口
から叫びがあふれだす、カラーフィルム、
性器、それは情熱の視覚だろうか! そ
れとも展翅番の死!・・この正体不明のイ
メージに手や足までからめとられ、時間
も、ふとした疑問も、花のように散って
いく。黄色い花。saa 走れ浮かべ、こ
の黄色い花。saa 流れもつれ、最小単
位へと向かえ黄色い花。



【251】


言葉は切れたりしない
つながってる
まだ風は吹いてる
樹は揺れてる
そして僕は走ってる


【252 もう少し僕、何か知りたいから・・】


That is what I want to know.
I must be true to myself.
I really want to know.
I would dearly love to know

鳥の気持ち知りたかった
鳥と目が合い心が痛い
鳥はまるで昨日の
ふとした風のように
返事もせずに生まれ変わり
今日の会話の夢を見る
蝶のはばたきは消え
のどかな雲のように
夢はゆったりと
きぜわしい日常の中を飛ぶ
ああ 映画だけが
うつくしく
生きてるわけじゃない


【253】


convert ordinary language into code
(日常言語を符号に変換する)


【254 薔薇を持っている】


川を渡って、うすぐらい喫茶店へと入る。
ホームとデッキのかすかな間に、
 ・・・誰も立ち止まることのない夢の活字。
 ・・・切符と呼ばれているものが落ちていた
  、探していた本が、
  少しずれて見えて、ゆらりと本棚に、
  立ちあがり、数え切れない人の波を窓から。
        「人生って錯覚と曖昧なキャベツによるもの」
おかしいな、             友達。・・
                     お菓子すぎる。

 誰かと別れていつのまにか選んだ道もあるよね
 分かり合ったつもりで、夕方の都市が燃えて、
 百年後にこの星がいまこれとまったく同じと限らない。
   愛だってそうだ。フォークやスプーンだって、
   必要かどうかなんてわからないんだぜ。・・
     いまこうして生き物の影で、体内がアクアリウムし、
     そこにあるメニューの文字が魚のように泳ぎ出す。
  「宇宙にもアンコウがいたら、・・・海底だよな」
 ・・・めちゃくちゃなことを言うぼくも、やがて薔薇だろう。


【255 死刑執行】


font style 湖水 浅瀬!
それは水牛の列!意志の破片!
煉瓦 time is 懸巣
王たちの眠り blood
沈黙は board
おお髪枯れる呪われた村
see-throughなレトリック
うすぐらい裸電球のjab
不足気味の不気味なpower
田だ!田だ!
うすぐらい氷のユーラシアだ
雫boto-bottleと溜まる
溜まる俺の性欲はハイデラ
かわいそうな仏舎利
礎石深い茂みの草
野焼き!


【256】


 子供たちの中には、ぬいぐるみを欲しがる子がいるよね。男の子でも、女の子でもいると
思う。もちろん中には、ゲームが欲しい子もいるよね。サッカーボールや、野球のボール、
バスケットボールが欲しい子がいるかも知れない。それが欲望なんだと説明するのは正しい
ことだと思うかい? それとも、当然の欲求だと君は怒りを見せるだろうか。ある街では、
暴力が絶えない。両親からの暴力が絶えない、人殺しが絶えない、治安が悪い。いろいろな
ことが言える。その子供たちもたぶん、君たちと同じように欲しいものがあると思うんだ。
それが何かを考えてみることが、僕は大切だと思うんだけど、どうかな? ある街では、餓
えてる。水があってもそれが、あんまりよろしい水じゃなかったりする。病気になる。お腹
を壊すんじゃなくて、それで死んでしまうかも知れない。やっぱりそこに住んでいる子ども
たちも欲しいものがあると思うんだ。でも、もしかしたら彼らの中には、死を覚悟している
子もいるかも知れないね。世の中にはたくさんの子供がいる。両親に売られてしまう子供も
いる。少年や少女への性的虐待。強 姦。もし君が子供の年齢だったら、それはこの日本とい
う国ではずっと縁遠いものだろうね。ある子供が、村に橋を作ってほしいと言った。それは
その村に、川を渡るための橋が老朽化していて、危険で、またそのせいで回り道をしなけれ
ばいけなかったからだ。でもその橋を国は、中々作ってくれない。そうなった時に、誰がそ
の願いを叶えられるだろうと思う。プラカードやマイクロフォンを持ったことはないけれ
ど、それがある子供たちの未来への絆であったら、そこに参加したひとりひとりが、美しい
心を持っていると君には信じられるだろう。でも世の中というのはそう簡単なものじゃな
い。だって君にだって嫌いな子供がいる。なかには、君を嫌う子供がいる。そう、なかには
自分の正義ー神の正義と一体化させて、本当は、すごく単純な思い違いなのに、中々それに
気付けなかったりする。たとえば君が両親に叱られて、「いつも言っているでしょう」と言
われてムッとするようなものだ。でも安心していい、それは多くのところ、君への躾だ。で
も大人がいつでも正しいとは限らない。時には大人たちが、自分の嫌なことをそこに重ねて
いるかも知れない。トラウマもある。おや、君は狐につままれたような顔をしているね。い
やいや、君がそっくりそのまま大人になれば、必ず君は同じことをするだろう、と僕は予言
しているんだよ。人は自覚的にならない限り、本当に何かを変えることは難しい、と言って
いるんだ。クロス・カルチュラル・ミニストリーという問題と似ているね。なかには、間違
った考え方を持っている人もいる。思い上がっている人もいる。そんな時、僕等はおうおう
にして、争いというのを生んでしまう。感情的な対立というものがうまれてしまう。憲法に
は記されていないけれど、原子爆弾が投下されて、この爆弾というものが今現在の世界的な
脅威であることを踏まえれば、僕等は戦争に対して、何か言葉を持ち、それを行おうとする
人達に言葉を持ち、できうるなら、この責務を、平和や、友情や、連帯のために、少しで
も、世界が子供たちがよりよいところであるように、いつも未来が安心できる、素晴らしい
所であるように、ひとりひとりが、色んな所から発信していけたらと思う。僕はいま、安全
な所にいて、高見の塔から見下ろすようにして意見をしている。いまの僕はそういう意味
で、とても恥ずかしいことをしている。けれど、いま、それを恥じることができる。僕にい
ま、一体何が出来るだろうか、と頭を下げ、自分の自尊心を折り、すこしでも何かを変えて
いきたいと自分の心を高めようとすることはできる。もちろん評論家のような口ぶりではな
く、いつでも僕がそういう子供たちと、あるいは変えていこうとする人達と対等な立場で、
色んな状況を考えている。この国だってもしかしたら軍隊化する恐れがまだあるし、場合に
よっては戦争に巻き込まれることもありうる。ただそれを過剰な防衛意識や、差別に根付い
たものではなく、やはり僕たちが常に平和とは縁遠い世界的情勢のただ中にいるのだという
ことを、感じて、そう想いたい。また世界中が常に公平で、平等で、できうるなら少しでも
それに近付けるようであって欲しいという気持ちが僕にはある。そのために恐れや苦しみが
訪れるとしても、一緒に分かち合っていくことで、いま、本当に遠い場所にいるけれど、い
つか手をとりあって、ああ本当の平和が常に理想のものであるように、日々何か出来ていけ
たら、いいよね。


【257】


蜜柑 MIKAN

・・・えーと毎度おなじみ蜜柑売りでございます


未完の蜜柑 未刊の蜜柑 身完熟 身 甘熟
受苦塾な祝 しゅわしゅわなスパークリング 蜜柑座 蜜柑場
ミカエル・ミカン ザビエル・ミカン いざ剥かん あぁ 阿寒!
君は無冠 ムー民! たとえれば無化 ムー民無化!
むか!むか!         ふぎゃ         ふぎゃあ 赤ん坊哭く
蜜柑はやっぱ                       三番目が美味しい
蜜柑は                           ジューサー ジュリエ 
蜜柑は                           二番目にいい
蜜柑は焼きすぎると                  焦げる蜜柑!
み・か・ん(ルパン!)                 コケコケ焦げる                     蜜柑は焦げる
焦げる蜜柑は                   ステテコ!ステテコ蜜柑 
ムー民!ムー民!                ステテコ蜜柑 
ムー民!ムー民!                 無民蜜柑!
無民蜜柑の棲むところ               ステテコが住むかと思われる
ステテコって誰ステテコって誰   すててこう ちんすこうの友だち
焦けた蜜柑はすててこう すててこう すててこう すててこう みかん


  × × ×


蜜柑が来たぞお!!!!!!!

蜜柑だと!やってくれようぞ蜜柑!

蜜柑ミサイルウウウ!

いかん蜜柑!

いかんぞ蜜柑!

いかんいかんぞ蜜柑!

フ、人が蜜柑のようだ(?)

フハハア、フハハア、未完蜜柑!

蜜柑!みかん!

み・か・ん!

みかん・みかん・みかん!


【258 御無沙汰由愛子の喫茶店】


安楽椅子に腰をおろして
御無沙汰を詫びながら二階へ。
「禁欲生活」をしていました。
そうですか、ハイ、夢デスネ。
はい、安楽椅子はどこにもなく、
御無沙汰由愛子のいた二階は
もう跡形もなく消えるのデス。


【259】


KAMOME STUDIO作品
「音楽 a singing voice」

孤独な歌をうたってるんだ
心が凍りそうな、突き刺さる歌


とんでもなく高まった俺達が演奏する
ヘイベイビイミュウジックカムオォン

ヘイベイビイミュウジックカムオォン
夏の日の波のように、思い出す 
LOVEさ





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